更新やモエ語りや感想(WJネタバレ注意!)お返事など。なんでもココ。更新ほとんど静止中。
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考察というか願望というかね。
ミナトとクシナのこと。フガクとミコトのこと。
薬師カブトの過去が展開されることによって見えてくることがある。
ミナトとクシナのこと。フガクとミコトのこと。
カブトは戦災孤児である。直列ではない関係性だがクシナは滅びた里の離散した一族の少女である。うずまきというのは海系の名前だ。この世界では名前は体を大きく現す。名がキャラクターに賦与する影響力は大きい。海系の名前。そこの根源はうみのイルカ。にあるのだと思う。
うみのイルカとうずまきナルトが始まりの主人公だからだ。
海系の名である。母。そして父。波風ミナト。
クシナには伝られた物語がある。彼女は千手柱間の妻・と直列に繋がるうずまき一族の少女だった。だから人柱力に選ばれた。彼女もまた取り引きでやりとりされた少女である。院の維持費の為にやりとりされたカブトと同じ。木ノ葉隠れの里の暗い側面を担うもの同志である。
クシナはすぐにまだ生きていた千手ミトに言葉を貰い、自分の存在の意味と愛を入れることが出来た。ミナトと出会い、見つけてもらい彼と生き妻になり子供を授かり、そしてナルトを守って死んだ。
彼女とカブトでは比べるべくもない。ただ、彼女は木ノ葉の里で生き残ったサバイバーなのだ。外の世界から連れてこられて里の為にと人柱力にされそれでも恋をして友達を作り結婚し子供を産んだ。
これらの前例があることが重要なのだ。
この里に利用されても生きていける。木ノ葉の人間になれる。それはやはり人間の存在以外にありえないことだ。ミナトの存在だ。
ミナトのことに移ろう。
波風の姓は海系の名前だ。彼もやはり、うずまき一族もしくは海に関係した忍のものの出であることが推察される。国を持たない人間が過酷な人生を歩まされることを知っている。クシナからであり自己の体験からであろう。
ミナトは木ノ葉の里の創設時代から所属しているのであろううちは・千手とは異なる生まれの少年である。
正統血統の生まれのものと非・正統血統の生まれのもの。
木ノ葉の里の概念の中には火の意思を継ぐ者が次の火影であり、それには正統血統である必要性は本来は無い。柱間の弟扉間が二代目になったのは彼が柱間の弟だからであり意思を継ぐものだからであり最強の忍だったからだ。そして彼はすぐに次代の育成に取り掛かる。二代目火影から次へと連なる次代の火影候補生であると思われる、6人の青年達。
猿飛ヒルゼン 志村ダンゾウ
うちはカガミ 秋道トリフ
うたたねコハル 水戸門ホムラ
この中には千手姓のものは誰一人としていない。柱間から扉間に移る時、二代目の中に当然自分が火影であるという自負以外に、同じ正統血統であるうちは一族から火影を出すべきである。という判断もあったのであろう。そして、千手一族で火影を独占していくの悪習を断ち切ろうとしこうして彼等を選抜したのだろう。
この流れは四代目までは機能し続けた、二代目火影千手扉間は猿飛ヒルゼンを選び、三代目火影猿飛ヒルゼンは波風ミナトを選んだ。
血縁ではない新しい流れを作る。この流れはここまでは機能した。其処から、暗い因習が噴出してくる。
ミナトはこの里の正統血統ではない。
それは恥じるべきことではない。だが、正統血統の生まれのものにとって、波風ミナトがその後行った英雄行為は強烈であったと思う。里の為人柱力になった少女を愛し妻に迎え出産させ、九尾が現れれば其れを命を持って封印し自分の息子を器とする。其処にある英雄行為の意味を知れば、正統血統の生まれのものに生まれるであろう意識が分かる。
うちは一族は誇りの高い一族だ。
そして、クシナは。一族の長うちはフガクの妻ミコトの友達だった。親友であったのかもしれない。ナルトとサスケがそうであるように同年齢で同期である。ハッキリとはされていないがそうである描写がされている。
クシナを人柱力にしミナトに九尾の封印をさせナルトを人柱力にした。
これらが正統血統のものに与えた衝撃は大きいと思う。
その意味を知るものは少ない。そして九尾の妖狐をうちは一族が操って里を襲わせたのではないか? そういった風説が流れる。 それは事実ではなく事実である。汚名を与えられた一族は怒りを覚えるだろう。・・・同時に。真実うちは一族が里を想う。里人を想う。里の火の意思を持ち続ける誇りの高いうちはイタチのような青年、そしてイタチが語るイタチにとっての追いかけて越えるべき兄・里を想い里に準じて死んで行ったうちはシスイのような青年達であったのであれば。
うちはフガクとミコトには、責任があるのだ。
ミナトとクシナとナルトを。正統血統ではないものから生まれ里に来て犠牲となったものの、意思を継ぐべき責任が。それは彼らがシスイとイタチが望んだように真実里の影になり犠牲を受け入れ汚名を受け入れ千手系の次なる火影を支える存在に成る。それもまた良いだろう。
だが。其処には、いないのだ。
千手系の正統血統である綱手姫はいないのだ。里に。彼女は弟を失い恋人を失い忍としての支えを失い、この里に居なかった。居たのかもしれないが彼女には火影になる意思など無い。彼女の中に在り続けたダンと縄樹から繋がる火の意思が生まれ育ち私は木ノ葉の里の五代目火影だと叫べるまで、彼女はただ闇の中に在る失われたものを想い惑うただの少女なのだ。
三代目は次の火影を自来也にと考えていただろう。三代目の孫木ノ葉丸の側近エビスがそう思っていた。相談役の二人もまず自来也に火影になるように求めていた。だが自来也には大蛇丸を追うという自由さが必要だった。其処から初めて綱手の回復の物語が始まる。
五代目火影は誰がなるべきだったのか?
それは今、そして物語の中過去を受け入れ取り戻し回復し再生し里人を守る力を使うことをためらったりしない今の綱手以外に他ならない。
だが、それはうちは一族がクーデターを目論んでいたとされるサスケが7才・イタチが12才の時ではない。
ヒルゼンと同年齢のダンゾウでは意味が無い。ヒルゼンもまだ若く、彼の平和路線の政策がようやく軌道に乗り始めた頃だ。火影の椅子をダンゾウに渡してはそんなことは出来ない。
ダンゾウの派閥へと下ったと今回のカブトの過去で見えてきたものごと。大蛇丸ではヒルゼンの後継者には成れないのだ。まだ里を捨てていない大蛇丸はまだ火影の椅子への感情は捨てていなかっただろう。
ダンゾウも火影の椅子への感情は捨てていない。
さて、こうして千手系のものが誰もいない世界で後継者としてあげられるのは第一には前述の6人の三代目火影候補生に連なるものたちである。
この中でうちは一族と秋道一族、そして三代目の一族猿飛一族が確認されている中では後継者のいる一族だ。秋道の当主チョウザは当時32才。猿飛一族で確認されているものはアスマは22才。うちはフガクは40才。火影は年齢で選ばれるものではないがこの時代、平和路線の世界で警務部隊・つまりは警察権力のトップであるうちはフガクには火影候補生として、最も正当な地位にいると思われる。
今の時代に必要とされるのは若き英雄では無い、きちんとした世界観を持つ指導者が必要とされているのだ。闇の系譜でもない。元々の木ノ葉の正統血統のもうひとつ。
あの時代の世界に、うちは一族から始めての火影、五代目火影うちはフガクを打ち出すことは可能であったと思う。
ただしそこに、差別の問題がある。
汚名と不名誉。カブトが感じた木ノ葉での世界認識。認められないという現実が引き起こすその後の行動。其れを飲み込み受け入れて影となって犠牲となって生きる道を選ぶ人間も確かにいるだろう。
だがだからと言って、差別を行ったのは木ノ葉の里だ。九尾を操り里を襲ったのではないかという疑惑を理由とした差別。それをただ耐えろ。この先もずっとうちはは千手の影として、汚名も不名誉もただ被れ。そして新たなる五代目火影が現れる時、けしてそれはうちはからではない。
それを耐えさせるほどの正当な理由は千住系には無い。
人材がいないのだ。この時は。
うちは一族が起こすクーデターには正当な理由があるのだ。
それによって騒乱が起こり国が荒れ戦争が起こり人々が死ぬ。それは確かにそうかもしれない。だが物事は勝ち取っていかなくてはならない物事もある。これが愚かな行動だと言うのであればその原因を作り出した人々の愚かさもまた愚である。クーデターが起こる時クーデターを起こされるものにも原因があるのだ。
それによって無関係のものが苦しむことになる。
だが、これまでの流れ。うちはが木ノ葉の権力を取ることが出来ず千住系からその弟子へ、そしてその弟子の弟子へ。流れていく流れの中で行われたのは戦争による木ノ葉の正統血統である千手一族の少年の死と姉の崩壊。次の系譜の断絶。
そして新しい風である他里からの参入者である波風ミナトとクシナとナルトに起こったこと。彼らが犠牲者であると。その犠牲を持ってフガクとミコトとイタチとサスケは。木ノ葉の里で暖かい家庭を築き上げてきていたのだという事実。
無関係ではない。ミナトは火影でクシナは人柱力。忍である。
彼等は世界の為に苦しむという選択をした。幸せなことしか起こらない家庭を犠牲にした。他者の為に自己の幸福をナルトに託して消えていった。
クシナとミコトは友達であった。
ミコトは次男のサスケに三代目の父親の名前を付けている。
ミナトとクシナの生きていける世界では、うちははその影になるべき正当な理由がある。クシナを知る妻を持つフガクには、若い二人の夫婦を見守り影となりその支えになるであろう感情を持つことが出来ると思う。彼はとても真面目な人物で、その彼が自己の利益だけを目的としてそんなことをするとは思えないのだ。
だが二人はいなくなり、次代の火影の椅子は空転した。
彼等は忍である。ヒーローだ。ヒーローは他者の為に自己を犠牲にする。彼等の苦しみの上に無関係のものの幸福が成り立っている。だが少年ミナトと少女クシナを知るものには、若い夫婦を知るものには彼等も幸福になる権利を有する存在であることを知っているだろう。
フガクとミコトには責任がある。
クシナの友だったミコトには。
その夫であるうちはフガクには。
彼等を守る立場に自分達がならなくてはならなかったのではないかという、負い目があるはずだ。彼等が奪われた時間。親子の時間。幸福な時間。生き残ったナルトが当然受けるべきだった愛。父の愛母の愛。サスケと同じ年の子供が受けた扱い。
クーデターを起こしてでも権利を勝ち取っていく。
そして次なる火影の系譜にイタチを。サスケを。里で他に類を見ないほどの天才であるイタチをダンゾウ・大蛇丸の闇の陣営に取り込ませ同世代の影となる道を継がせたくない。ミナトとクシナの子供を守りイタチに正道を歩かせたいのであれば今この時自分達が強硬な手段に出なくてはどうにもならないのだと。うちは一族が思う事は止められないことだと思う。
うちはのクーデターも悪しき感情から発露したものではなく、今ここで血を流さないと何も変えることが出来ないと判断した結果である。
クーデターは阻止された。シスイとイタチによって。
うちはシスイは何処から四代目火影の意思を継いだのか。それはシスイの推定年齢に拠る。
彼はおそらく不知火ゲンマーうみのイルカまでの九尾の妖狐襲来時少年だった世代の者達だ。里が襲われた時次代に繋がる為に大人たちに匿われてしまった世代。あの事件の時うちは一族のものが戦っている姿は描かれて居ない。フガクもミコトも里には居なかった。
シスイもどうしていたかは分からない。だが同世代は大人に匿われ、シスイは同世代達のその後を見て自己を培ってきたのではないかと想像される。イタチは里の中でダイレクトにミナトに守られてきた少年だ。
シスイの中にミナトの意思を継ぎ里にとっての影となる自負はある。
それはイタチに中にも培われていく。最も親しい友であるイタチに。
ミナトの行為が英雄化され。生き残っていった人々の中、特に多感な少年少女であった者の中ではミナトは神に等しい存在だ。現実に其処にいる三代目よりも、見たことも無い初代二代目よりも。四代目火影波風ミナトは若い世代にとって神である。
年上の世代にとってはミナトは自分達の為に犠牲になった青年である。
少年達にとってのミナトと、大人達にとってのミナトはちがう。
ミナトの意思を継ぐ。
この言葉ひとつをとっても、意味合いが違うのだ。
12才のイタチが選んだこと。
マダラと名乗るトビと接触し、ダンゾウの言葉を受け、火影と父親の間で悩み。同志であるシスイを失い。少年イタチには二つの道が指し示されていた。里の為に自分の一族を皆殺しにするか。うちは一族の為にこのクーデターを成功させるか。一族を皆殺しに出来たイタチにとって、木ノ葉の里のものを全て打ち倒すことは可能なことだっただろう。だがそれはイタチには出来ないことだった。イタチにとっては。
木ノ葉の里に血を流させて新しい時代を築くことは選べなかった。それはミナトの意思に反することだからと思えた。
うちはイタチは親を殺した。
一族を殺した。
それがミナトの意思を継ぐ行為であると。
波風ミナトは自分とサスケを守った神であり、神の意思を継いでいた親しい友のシスイから託されたことを守る為の行為であったと。
高らかに言う事は出来ない。其れはやはり闇に沈めてしまうべき物語なのだ。イタチの望んだとおりに。イタチが守りたかったもの。木ノ葉の里の誇り高い一族であるうちは。そしてそれを正しく継いでくれるサスケ。イタチがサスケに倒されることによって完成されるシナリオ。
うちはイタチが行ったことは次の世代にダイレクトに影響を与えた。サスケに。そしてナルトに。ナルトの世代に。そしてそれをとりまく大人たちに。世界に。
ミナトとクシナの行ったことが全ての世代に影響を与えたように。
木ノ葉の里の物語は正道を行くものの前に展開され続けて来た。
英雄達の物語が。そして、英雄達に出来たことが示される時。
英雄達には出来なかったことが同時に示される。
ミナトとクシナが生きている世界でナルトが幸福に育てられる。
フガクとミコトはその傍らで彼等の影となりイタチとサスケを育てる。この三人のどちらかが次の火影に選ばれるかもしれない。
守られてしまった少年達。不知火ゲンマからうみのイルカまでの少年達には大人の世代が与えられる。九尾の妖狐の襲来で失われた人員を補填するべく忍として任務に没頭したのであろう世代を支える人材。
これらは存在しない仮定の未来の物事だ。
現実の世界では英雄達の屍の前に問題が提示される。
大人の世代の欠落。三代目の死の場面、周りを取巻く精鋭はみなカカシ世代の若者だった。かつての少年少女たち。彼らが木ノ葉の里の最も強いメンバーのほとんど全てなのだ。他国任務に出ているものを除けば。
木ノ葉の里には大きく欠如した世代がある。戦争と九尾によって失われた戦死者達のことだ。ミナトとクシナもその中に含まれる。彼らがやるべき任務を若い世代がこなさなくてはならない。
若い世代にも殉職者が出る。
人材不足に陥った里が選ぶ道は、おのずと分かる。
新しい人材を育成すること。その為に行う行動は色々あるだろう。大人の世代は子供を産み育てる。だがそれでは間に合わない。使える人間が必要なのだ。汚い清いを選んではいられれない。
そしてかつての諜報部隊"歩きの巫女"ノノウが忍に戻るよう脅迫される。
そしてカブトという少年が孤児院から木ノ葉に連れてこられる。
全てはつながっている。
英雄達の生きる世界。幸福な世界。ナルトの為の幸福な世界。
其処にはカブトの生きる幸福な世界。カブトがマザーと暮らし続ける幸福な世界もあるのだろう。カブトの生まれ持った世界が壊れることはどうしようもなかったかもしれない。だが。
ミナトとクシナが生きている世界でなら、木ノ葉の外から子供を金で買ってスパイに仕立て上げてしまうことを選びはしなかったのではないだろうか。人材がありさえすればマザーは再び忍に戻ることは無く、カブトと子供達をなんとか育てていくことは出来たのではないだろうか。
ミナトとクシナは。
生きるべきだった。
そんなことを言ってもどうしようもないことだろうけれど。
ミナトとクシナは生き残るべきだった。サバイバーに成るべきだった。それは出来なかった。出来なかったから、こうして今のナルトが形成されていったのだ。英雄達に出来たこと。それがナルトを作っていった。
イタチを作っていった。
英雄達に出来なかったこと。
それがカブトを作っていった。イタチを。サスケを。
其処には無関係なものは無い。全てが関係してくるのだ。
だからこそ。カブトとイタチとサスケの物語に。
何かの期待を寄せてしまう。単純ではない物事を。イタチという存在が行った行動が影響を与えサスケという存在が行った行動が影響を与えカブトという存在が起こした行動が全世界に影響を与えている、行動が発露する理由である部分に。何かを期待している。
イタチの理由は語られてきたサスケの理由も語られてきた。
そして今はカブトなのだ。
英雄達に託された少年・ナルトでは出来ないことを。
ヒーローとなったイタチが行ってくれることを期待している。
うーん話が長い! 今日もおまえさんの話は長い!! 話が長いおいさんはお前だ!
薬師カブトの過去が展開されることによって見えてくることがある。
ミナトとクシナのこと。フガクとミコトのこと。
カブトは戦災孤児である。直列ではない関係性だがクシナは滅びた里の離散した一族の少女である。うずまきというのは海系の名前だ。この世界では名前は体を大きく現す。名がキャラクターに賦与する影響力は大きい。海系の名前。そこの根源はうみのイルカ。にあるのだと思う。
うみのイルカとうずまきナルトが始まりの主人公だからだ。
海系の名である。母。そして父。波風ミナト。
クシナには伝られた物語がある。彼女は千手柱間の妻・と直列に繋がるうずまき一族の少女だった。だから人柱力に選ばれた。彼女もまた取り引きでやりとりされた少女である。院の維持費の為にやりとりされたカブトと同じ。木ノ葉隠れの里の暗い側面を担うもの同志である。
クシナはすぐにまだ生きていた千手ミトに言葉を貰い、自分の存在の意味と愛を入れることが出来た。ミナトと出会い、見つけてもらい彼と生き妻になり子供を授かり、そしてナルトを守って死んだ。
彼女とカブトでは比べるべくもない。ただ、彼女は木ノ葉の里で生き残ったサバイバーなのだ。外の世界から連れてこられて里の為にと人柱力にされそれでも恋をして友達を作り結婚し子供を産んだ。
これらの前例があることが重要なのだ。
この里に利用されても生きていける。木ノ葉の人間になれる。それはやはり人間の存在以外にありえないことだ。ミナトの存在だ。
ミナトのことに移ろう。
波風の姓は海系の名前だ。彼もやはり、うずまき一族もしくは海に関係した忍のものの出であることが推察される。国を持たない人間が過酷な人生を歩まされることを知っている。クシナからであり自己の体験からであろう。
ミナトは木ノ葉の里の創設時代から所属しているのであろううちは・千手とは異なる生まれの少年である。
正統血統の生まれのものと非・正統血統の生まれのもの。
木ノ葉の里の概念の中には火の意思を継ぐ者が次の火影であり、それには正統血統である必要性は本来は無い。柱間の弟扉間が二代目になったのは彼が柱間の弟だからであり意思を継ぐものだからであり最強の忍だったからだ。そして彼はすぐに次代の育成に取り掛かる。二代目火影から次へと連なる次代の火影候補生であると思われる、6人の青年達。
猿飛ヒルゼン 志村ダンゾウ
うちはカガミ 秋道トリフ
うたたねコハル 水戸門ホムラ
この中には千手姓のものは誰一人としていない。柱間から扉間に移る時、二代目の中に当然自分が火影であるという自負以外に、同じ正統血統であるうちは一族から火影を出すべきである。という判断もあったのであろう。そして、千手一族で火影を独占していくの悪習を断ち切ろうとしこうして彼等を選抜したのだろう。
この流れは四代目までは機能し続けた、二代目火影千手扉間は猿飛ヒルゼンを選び、三代目火影猿飛ヒルゼンは波風ミナトを選んだ。
血縁ではない新しい流れを作る。この流れはここまでは機能した。其処から、暗い因習が噴出してくる。
ミナトはこの里の正統血統ではない。
それは恥じるべきことではない。だが、正統血統の生まれのものにとって、波風ミナトがその後行った英雄行為は強烈であったと思う。里の為人柱力になった少女を愛し妻に迎え出産させ、九尾が現れれば其れを命を持って封印し自分の息子を器とする。其処にある英雄行為の意味を知れば、正統血統の生まれのものに生まれるであろう意識が分かる。
うちは一族は誇りの高い一族だ。
そして、クシナは。一族の長うちはフガクの妻ミコトの友達だった。親友であったのかもしれない。ナルトとサスケがそうであるように同年齢で同期である。ハッキリとはされていないがそうである描写がされている。
クシナを人柱力にしミナトに九尾の封印をさせナルトを人柱力にした。
これらが正統血統のものに与えた衝撃は大きいと思う。
その意味を知るものは少ない。そして九尾の妖狐をうちは一族が操って里を襲わせたのではないか? そういった風説が流れる。 それは事実ではなく事実である。汚名を与えられた一族は怒りを覚えるだろう。・・・同時に。真実うちは一族が里を想う。里人を想う。里の火の意思を持ち続ける誇りの高いうちはイタチのような青年、そしてイタチが語るイタチにとっての追いかけて越えるべき兄・里を想い里に準じて死んで行ったうちはシスイのような青年達であったのであれば。
うちはフガクとミコトには、責任があるのだ。
ミナトとクシナとナルトを。正統血統ではないものから生まれ里に来て犠牲となったものの、意思を継ぐべき責任が。それは彼らがシスイとイタチが望んだように真実里の影になり犠牲を受け入れ汚名を受け入れ千手系の次なる火影を支える存在に成る。それもまた良いだろう。
だが。其処には、いないのだ。
千手系の正統血統である綱手姫はいないのだ。里に。彼女は弟を失い恋人を失い忍としての支えを失い、この里に居なかった。居たのかもしれないが彼女には火影になる意思など無い。彼女の中に在り続けたダンと縄樹から繋がる火の意思が生まれ育ち私は木ノ葉の里の五代目火影だと叫べるまで、彼女はただ闇の中に在る失われたものを想い惑うただの少女なのだ。
三代目は次の火影を自来也にと考えていただろう。三代目の孫木ノ葉丸の側近エビスがそう思っていた。相談役の二人もまず自来也に火影になるように求めていた。だが自来也には大蛇丸を追うという自由さが必要だった。其処から初めて綱手の回復の物語が始まる。
五代目火影は誰がなるべきだったのか?
それは今、そして物語の中過去を受け入れ取り戻し回復し再生し里人を守る力を使うことをためらったりしない今の綱手以外に他ならない。
だが、それはうちは一族がクーデターを目論んでいたとされるサスケが7才・イタチが12才の時ではない。
ヒルゼンと同年齢のダンゾウでは意味が無い。ヒルゼンもまだ若く、彼の平和路線の政策がようやく軌道に乗り始めた頃だ。火影の椅子をダンゾウに渡してはそんなことは出来ない。
ダンゾウの派閥へと下ったと今回のカブトの過去で見えてきたものごと。大蛇丸ではヒルゼンの後継者には成れないのだ。まだ里を捨てていない大蛇丸はまだ火影の椅子への感情は捨てていなかっただろう。
ダンゾウも火影の椅子への感情は捨てていない。
さて、こうして千手系のものが誰もいない世界で後継者としてあげられるのは第一には前述の6人の三代目火影候補生に連なるものたちである。
この中でうちは一族と秋道一族、そして三代目の一族猿飛一族が確認されている中では後継者のいる一族だ。秋道の当主チョウザは当時32才。猿飛一族で確認されているものはアスマは22才。うちはフガクは40才。火影は年齢で選ばれるものではないがこの時代、平和路線の世界で警務部隊・つまりは警察権力のトップであるうちはフガクには火影候補生として、最も正当な地位にいると思われる。
今の時代に必要とされるのは若き英雄では無い、きちんとした世界観を持つ指導者が必要とされているのだ。闇の系譜でもない。元々の木ノ葉の正統血統のもうひとつ。
あの時代の世界に、うちは一族から始めての火影、五代目火影うちはフガクを打ち出すことは可能であったと思う。
ただしそこに、差別の問題がある。
汚名と不名誉。カブトが感じた木ノ葉での世界認識。認められないという現実が引き起こすその後の行動。其れを飲み込み受け入れて影となって犠牲となって生きる道を選ぶ人間も確かにいるだろう。
だがだからと言って、差別を行ったのは木ノ葉の里だ。九尾を操り里を襲ったのではないかという疑惑を理由とした差別。それをただ耐えろ。この先もずっとうちはは千手の影として、汚名も不名誉もただ被れ。そして新たなる五代目火影が現れる時、けしてそれはうちはからではない。
それを耐えさせるほどの正当な理由は千住系には無い。
人材がいないのだ。この時は。
うちは一族が起こすクーデターには正当な理由があるのだ。
それによって騒乱が起こり国が荒れ戦争が起こり人々が死ぬ。それは確かにそうかもしれない。だが物事は勝ち取っていかなくてはならない物事もある。これが愚かな行動だと言うのであればその原因を作り出した人々の愚かさもまた愚である。クーデターが起こる時クーデターを起こされるものにも原因があるのだ。
それによって無関係のものが苦しむことになる。
だが、これまでの流れ。うちはが木ノ葉の権力を取ることが出来ず千住系からその弟子へ、そしてその弟子の弟子へ。流れていく流れの中で行われたのは戦争による木ノ葉の正統血統である千手一族の少年の死と姉の崩壊。次の系譜の断絶。
そして新しい風である他里からの参入者である波風ミナトとクシナとナルトに起こったこと。彼らが犠牲者であると。その犠牲を持ってフガクとミコトとイタチとサスケは。木ノ葉の里で暖かい家庭を築き上げてきていたのだという事実。
無関係ではない。ミナトは火影でクシナは人柱力。忍である。
彼等は世界の為に苦しむという選択をした。幸せなことしか起こらない家庭を犠牲にした。他者の為に自己の幸福をナルトに託して消えていった。
クシナとミコトは友達であった。
ミコトは次男のサスケに三代目の父親の名前を付けている。
ミナトとクシナの生きていける世界では、うちははその影になるべき正当な理由がある。クシナを知る妻を持つフガクには、若い二人の夫婦を見守り影となりその支えになるであろう感情を持つことが出来ると思う。彼はとても真面目な人物で、その彼が自己の利益だけを目的としてそんなことをするとは思えないのだ。
だが二人はいなくなり、次代の火影の椅子は空転した。
彼等は忍である。ヒーローだ。ヒーローは他者の為に自己を犠牲にする。彼等の苦しみの上に無関係のものの幸福が成り立っている。だが少年ミナトと少女クシナを知るものには、若い夫婦を知るものには彼等も幸福になる権利を有する存在であることを知っているだろう。
フガクとミコトには責任がある。
クシナの友だったミコトには。
その夫であるうちはフガクには。
彼等を守る立場に自分達がならなくてはならなかったのではないかという、負い目があるはずだ。彼等が奪われた時間。親子の時間。幸福な時間。生き残ったナルトが当然受けるべきだった愛。父の愛母の愛。サスケと同じ年の子供が受けた扱い。
クーデターを起こしてでも権利を勝ち取っていく。
そして次なる火影の系譜にイタチを。サスケを。里で他に類を見ないほどの天才であるイタチをダンゾウ・大蛇丸の闇の陣営に取り込ませ同世代の影となる道を継がせたくない。ミナトとクシナの子供を守りイタチに正道を歩かせたいのであれば今この時自分達が強硬な手段に出なくてはどうにもならないのだと。うちは一族が思う事は止められないことだと思う。
うちはのクーデターも悪しき感情から発露したものではなく、今ここで血を流さないと何も変えることが出来ないと判断した結果である。
クーデターは阻止された。シスイとイタチによって。
うちはシスイは何処から四代目火影の意思を継いだのか。それはシスイの推定年齢に拠る。
彼はおそらく不知火ゲンマーうみのイルカまでの九尾の妖狐襲来時少年だった世代の者達だ。里が襲われた時次代に繋がる為に大人たちに匿われてしまった世代。あの事件の時うちは一族のものが戦っている姿は描かれて居ない。フガクもミコトも里には居なかった。
シスイもどうしていたかは分からない。だが同世代は大人に匿われ、シスイは同世代達のその後を見て自己を培ってきたのではないかと想像される。イタチは里の中でダイレクトにミナトに守られてきた少年だ。
シスイの中にミナトの意思を継ぎ里にとっての影となる自負はある。
それはイタチに中にも培われていく。最も親しい友であるイタチに。
ミナトの行為が英雄化され。生き残っていった人々の中、特に多感な少年少女であった者の中ではミナトは神に等しい存在だ。現実に其処にいる三代目よりも、見たことも無い初代二代目よりも。四代目火影波風ミナトは若い世代にとって神である。
年上の世代にとってはミナトは自分達の為に犠牲になった青年である。
少年達にとってのミナトと、大人達にとってのミナトはちがう。
ミナトの意思を継ぐ。
この言葉ひとつをとっても、意味合いが違うのだ。
12才のイタチが選んだこと。
マダラと名乗るトビと接触し、ダンゾウの言葉を受け、火影と父親の間で悩み。同志であるシスイを失い。少年イタチには二つの道が指し示されていた。里の為に自分の一族を皆殺しにするか。うちは一族の為にこのクーデターを成功させるか。一族を皆殺しに出来たイタチにとって、木ノ葉の里のものを全て打ち倒すことは可能なことだっただろう。だがそれはイタチには出来ないことだった。イタチにとっては。
木ノ葉の里に血を流させて新しい時代を築くことは選べなかった。それはミナトの意思に反することだからと思えた。
うちはイタチは親を殺した。
一族を殺した。
それがミナトの意思を継ぐ行為であると。
波風ミナトは自分とサスケを守った神であり、神の意思を継いでいた親しい友のシスイから託されたことを守る為の行為であったと。
高らかに言う事は出来ない。其れはやはり闇に沈めてしまうべき物語なのだ。イタチの望んだとおりに。イタチが守りたかったもの。木ノ葉の里の誇り高い一族であるうちは。そしてそれを正しく継いでくれるサスケ。イタチがサスケに倒されることによって完成されるシナリオ。
うちはイタチが行ったことは次の世代にダイレクトに影響を与えた。サスケに。そしてナルトに。ナルトの世代に。そしてそれをとりまく大人たちに。世界に。
ミナトとクシナの行ったことが全ての世代に影響を与えたように。
木ノ葉の里の物語は正道を行くものの前に展開され続けて来た。
英雄達の物語が。そして、英雄達に出来たことが示される時。
英雄達には出来なかったことが同時に示される。
ミナトとクシナが生きている世界でナルトが幸福に育てられる。
フガクとミコトはその傍らで彼等の影となりイタチとサスケを育てる。この三人のどちらかが次の火影に選ばれるかもしれない。
守られてしまった少年達。不知火ゲンマからうみのイルカまでの少年達には大人の世代が与えられる。九尾の妖狐の襲来で失われた人員を補填するべく忍として任務に没頭したのであろう世代を支える人材。
これらは存在しない仮定の未来の物事だ。
現実の世界では英雄達の屍の前に問題が提示される。
大人の世代の欠落。三代目の死の場面、周りを取巻く精鋭はみなカカシ世代の若者だった。かつての少年少女たち。彼らが木ノ葉の里の最も強いメンバーのほとんど全てなのだ。他国任務に出ているものを除けば。
木ノ葉の里には大きく欠如した世代がある。戦争と九尾によって失われた戦死者達のことだ。ミナトとクシナもその中に含まれる。彼らがやるべき任務を若い世代がこなさなくてはならない。
若い世代にも殉職者が出る。
人材不足に陥った里が選ぶ道は、おのずと分かる。
新しい人材を育成すること。その為に行う行動は色々あるだろう。大人の世代は子供を産み育てる。だがそれでは間に合わない。使える人間が必要なのだ。汚い清いを選んではいられれない。
そしてかつての諜報部隊"歩きの巫女"ノノウが忍に戻るよう脅迫される。
そしてカブトという少年が孤児院から木ノ葉に連れてこられる。
全てはつながっている。
英雄達の生きる世界。幸福な世界。ナルトの為の幸福な世界。
其処にはカブトの生きる幸福な世界。カブトがマザーと暮らし続ける幸福な世界もあるのだろう。カブトの生まれ持った世界が壊れることはどうしようもなかったかもしれない。だが。
ミナトとクシナが生きている世界でなら、木ノ葉の外から子供を金で買ってスパイに仕立て上げてしまうことを選びはしなかったのではないだろうか。人材がありさえすればマザーは再び忍に戻ることは無く、カブトと子供達をなんとか育てていくことは出来たのではないだろうか。
ミナトとクシナは。
生きるべきだった。
そんなことを言ってもどうしようもないことだろうけれど。
ミナトとクシナは生き残るべきだった。サバイバーに成るべきだった。それは出来なかった。出来なかったから、こうして今のナルトが形成されていったのだ。英雄達に出来たこと。それがナルトを作っていった。
イタチを作っていった。
英雄達に出来なかったこと。
それがカブトを作っていった。イタチを。サスケを。
其処には無関係なものは無い。全てが関係してくるのだ。
だからこそ。カブトとイタチとサスケの物語に。
何かの期待を寄せてしまう。単純ではない物事を。イタチという存在が行った行動が影響を与えサスケという存在が行った行動が影響を与えカブトという存在が起こした行動が全世界に影響を与えている、行動が発露する理由である部分に。何かを期待している。
イタチの理由は語られてきたサスケの理由も語られてきた。
そして今はカブトなのだ。
英雄達に託された少年・ナルトでは出来ないことを。
ヒーローとなったイタチが行ってくれることを期待している。
うーん話が長い! 今日もおまえさんの話は長い!! 話が長いおいさんはお前だ!
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性格:サソリ様か大蛇丸様かというとどっちかって言うとサソリ様なんじゃねェのかな年近ェし…
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